川本中の生徒昇降口の下駄箱には、生徒のきれいな運動靴が、並ん
でいます。それを見ていて、ふと、知り合いの方の話を思い出しました。
昔は、運動靴と言えば高価な物でした。
私の家庭は裕福でなかったけれど、母親が夜遅くまで内職したお金で、
新しい運動靴を買ってもらった事を覚えています。
私はその嬉しさから、その運動靴を布団に入れて、抱えて寝たことが今
も忘れられません。
大切に使おうと思い、丁寧に履くようにしました。でも、何年も履いてい
てつま先の部分がすり切れてしまった時は、針と糸で縫ったりしました。
それから、かかとはつぶさないように一番注意しました。しかし、とうとう、
この靴を処分する時が来たときに、母が「本当にありがとう、よく頑張った
ね。」と私の靴を優しくなでていたことを今でも忘れません。
あれから、30年が過ぎ、母はもういませんが、この気持ちは私の心の中
に生き続けています。
お母さん、本当にありがとうございました。
いかがですか。この方の思い出と同じ記憶がある方もいらっしゃると思い
ます。
本当に、ものがない時代に生きた人たちの純粋な心を感じますね。
川本中のみなさん、「ものを大切にする。」という心を今しっかりと育てて
ください。時代が違っても、人の心は変わらないものですから。